ワイシャツを買い替えるタイミングとは?ワイシャツの寿命と長持ちさせる秘訣

着用する機会が多いワイシャツは、日々のお手入れが大切です。ですが「どのような状態になったら買い替え時なのか?」を正しく判断できる方は少ないのではないでしょうか。 この記事では、ワイシャツの寿命と、買い替えのタイミングを見極めるポイント、さらにシャツを長持ちさせる方法をご紹介します。
1.ワイシャツの寿命と基準
ワイシャツを買い替える時期を見極めるために、まずは目安となる耐用年数や寿命サインを知ることが大切です。
一般的にワイシャツの寿命は約2年程度といわれていますが、着用頻度やお手入れ方法によって、使える期間は変わります。例えば、同じシャツを毎日のように着るのであれば、生地への負担も大きくなるため、より早い段階で買い替えのタイミングを迎えるかもしれません。逆に複数枚のシャツをローテーションし、なるべく期間を空けて着用することを心がけるなら、ダメージは少なく長持ちするということもあります。
つまり、シャツの寿命は年数だけで判断できるものではありません。どのような状態になれば買い替え時期なのかという目安、また長持ちさせるお手入れ方法を知って、いつも清潔感のある服装を保ちましょう。
2.ワイシャツの寿命を見極めるサイン
シャツの劣化や消耗のポイントを知ることで、買い替えのタイミングを知ることができます。特に汚れや生地のダメージが目立つようになったときは、清潔感や着心地の面から早めに買い替えを検討しましょう。部分的な修繕ができるケースもありますが、見た目の印象を損ねるほど傷んでいる場合は買い替えが必要です。ここではシャツの寿命を見極めるための大切なポイントをご紹介します。
2-1.シミや汚れが落ちない
食べ物やインクのシミなど、洗濯やクリーニングをしても取れない頑固な汚れはありませんか?シミ汚れは、ワイシャツの寿命を示す代表的なサインです。整髪料、制汗剤、漂白剤などで生地が変色する場合もあります。シミ汚れは目立ちますし、とにかく清潔感がありません。繰り返し洗ってもシミが落ちない場合は、買い替えを考えたほうがいいでしょう。

2-2.襟元や袖口の黄ばみが落ちない
襟元や袖口(カフス)は皮脂や汗が付着しやすく、一番汚れやすい部分です。「えりそで専用の洗剤」を使用してみたり、クリーニング店でシミ抜きを頼んでも黄ばみが消えない場合、ワイシャツ全体の清潔感を損なう原因になります。ビジネスシーンでは見た目の印象もとても重要なため、黄ばみが落ち切らない場合は買い替えを検討しましょう。

2-3.生地が薄くなったり破れている
生地は、着用や洗濯を繰り返すうちに生地が痩せて薄くなったり、摩擦で破れるなどの経年劣化をします。特に、こすれやすい首回り、袖口、脇や、引っ張られて負荷がかかる肩やお腹回りなどが破損しやすいので注意が必要です。少しのほつれや、あまり見えない箇所であれば補修も可能ですが、劣化が広範囲に見られるのであれば寿命と考えられます。破れを無理に縫い合わせても見た目に影響が大きいため、買い替えが無難です。

2-4.型崩れが戻らない
襟が極端に縮んだりゆがんだりというような型崩れが発生していると、首がきつく感じるなど着用時に違和感を感じたりします。ワイシャツは長時間着るものなので、着用感の快適さはとても重要。また場合によっては着用時の見た目がだらしなく見えてしまうこともあります。こうした場合は新しいワイシャツへの買い替えを検討しましょう。
2-5.サイズが合わなくなった
ご自身の体型が変わり、サイズが合わなくなったときも買い替えのタイミングと言えます。特に首回りのサイズが合っていないワイシャツは、どうしてもだらしなく見えてしまうものです。体重の変化により首の太さも変わります。痩せて首回りが大きく余るようになったり、太って襟のボタンが留まらなくなった時は、ぜひ現在の体型に合ったシャツに買い替えましょう。自分のサイズがわからない場合は、売り場の販売員さんに声をかけてサイズを測ってもらうのが一番確実です。ネットなどで購入する場合は、身近な人に測ってもらうのがよいでしょう。測り方はこちらを参考にしてみてください。

【ブログ記事】ワイシャツのサイズがわからない!そんな時はこうやって測ろう。~からだ編
3.シャツの寿命を左右するポイント
ワイシャツの寿命にはさまざまな要素が影響します。素材や生地の違い、着用頻度、そして洗濯・保管方法など、さまざまなポイントの注意点を知ることにより、シャツを長く着用することができます。
3-1.素材や加工による耐久性の違い
ワイシャツの素材は主に綿100%、綿とポリエステルの混紡、ポリエステル100%のものがあります。それぞれの素材の特徴を知り、取り扱い方法を理解することが、長持ちさせることにつながります。

①綿100%・・・通気性や吸水性、肌ざわりに優れているものの、天然素材のためシワができやすく、しっかりとしたアイロンがけが必要です。また長く使用していると表面にケバ立ちが発生することもあります。※綿100%でも形態安定加工によりアイロンが必要ないものもあります。
②綿とポリエステルの混紡・・・綿100%に比べると汗を吸いにくく肌ざわりでは劣りますが、シワになりにくく耐久性が高いという良さがあります。
③ポリエステル100%・・・ニット編みのシャツで使用することが多いです。その場合、伸縮性があったりシワになりにくいというメリットがありますが、毛玉ができやすかったり、編み目をひっかけやすいので取り扱いには多少注意が必要です。
また素材だけでなく、「形態安定シャツか、そうではないか」によってもポイントは異なります。
形態安定シャツは、基本的に「家庭用洗濯機で洗って自宅で干しても、取り扱いがラク」なことを目的に作ってあります。そのためクリーニング店に出すと、家庭との洗濯乾燥方法の違いにより、襟が大きく縮んでしまうことがまれにあるので注意が必要です。形態安定シャツは、なるべく自宅で洗濯することで長持ちする可能性があります。
3-2.着用する頻度
ほぼ毎日同じシャツを着まわす人と、複数枚をローテーションして週に1回着る人では、シャツの消耗度合いに大きな差が生まれます。毎日使用する場合は、汚れが蓄積しやすく洗濯の頻度も高いため生地へのダメージが大きく、早い段階で寿命を迎えます。逆になるべく多くの枚数でローテーションをおこなってなるべく着用頻度を少なくすると、1枚のシャツへの負担が減り、買い替え頻度も下がるでしょう。

3-3.洗濯や保管方法による劣化
洗濯や保管の仕方は、生地を長持ちさせるうえで重要なポイントです。間違った方法で取り扱うことによって、生地の劣化や黄ばみが進んでしまうことがあります。次の項目では、シャツを長持ちさせるための正しい取り扱い方法を詳しくご紹介します。
4.ワイシャツを長持ちさせるケアの方法
洗濯・乾燥・保存などのお手入れは、ワイシャツの寿命に大きく関係してきます。普段からの正しいメンテナンスを心がけましょう。

ベストな取り扱い方法は、素材や加工内容により異なります。まずはシャツの裏側についている「取り扱い絵表示」を確認し、それに沿った取り扱い方法を理解することが大切です。洗剤やアイロンの温度など、指定の条件と異なる方法でケアすると、生地の変色や色落ち、変形などが発生することがあるので注意しましょう。

表示記号の内容はこちらから確認できます。【衣類の取り扱い絵表示】
4-1.家庭での正しい洗濯とケア
洗濯について注意するポイントは、大きくは以下の通りです。

①襟や袖口などの汚れがひどい時は、洗濯機に入れる前にあらかじめ漬け置きやポイント洗いをするといいでしょう。
②洗濯機で洗う時は必ず洗濯ネットに入れましょう。生地やボタンのダメージを軽減します。
③洗剤はメーカーが指定する適量を使いましょう。少なすぎると汚れが落ち切らず、多すぎると洗剤が洗い残ってしまい生地の変色などの原因になります。また漂白剤の間違った使用は、変色や破損など、シャツに致命的なダメージを与えることがあります。漂白剤には「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」がありますが、特に塩素系漂白剤の使用には十分注意が必要です。漂白剤を使いたい場合は必ず取り扱い絵表示を見て、「漂白剤を使っていいか」「使えるのはどの種類か」を確認してから使用しましょう。
④脱水は軽めにしておくとシワが伸びやすいのでおすすめです。また洗濯が終わったらなるべく早く干しましょう。すぐに干さずに長時間放置するとシワが伸びづらくなってしまいます。
⑤ハンガーに干したら、手でシワをのばしましょう。このひと手間で乾いたあとの仕上がりが大きく変わりますよ!
更に詳しい方法やコツは、こちらをご覧ください。【お手入れのポイント】
4-2.クリーニングに出す時の注意
ワイシャツは無条件にクリーニング店に出す、という人もいらっしゃるかもしれません。自宅での洗濯やお手入れの手間が省けるのはとても便利です。しかしクリーニング店に出す場合にも注意が必要です。

①襟の裏に、差し込み式のキーパー(プラスチック製の細いもの)が入っている場合は外しておきましょう。たくさんのシャツを一度に洗うため、紛失してしまう可能性があります。

②形態安定加工のシャツをクリーニングに出すことで、まれに襟の芯地が大きく縮んでしまい、首が苦しくなってしまうことがあります。形態安定加工のシャツは、本来「家庭での洗濯」を推奨しており、クリーニング店での「濡れたままプレス機にかける方式」には向いていません。縮みが気になる場合は、クリーニング店の「手仕上げ」などのコースを選ぶと縮むリスクは低くなると思われます。※すべての場合で縮みが発生するわけではありません。
③クリーニングから戻ってきたシャツは、ビニールを外して保管しましょう。ビニールをかぶせたままの状態では通気性が悪くカビなどの原因につながります。またクリーニングで使用された溶剤や洗剤などの成分がビニール内にこもることがあり、これらの物質が服の変色や劣化を引き起こす場合があります。
4-3.おすすめの保管方法
理想的な保管方法は、ハンガーにかけ、通気性の良いクローゼットなどにかける方法です。ハンガーにかけることで新たなシワの発生を防ぎ、襟の形も崩さずキープします。ハンガーにかけるスペースがない場合はたたんで重ねますが、たたむ際はなるべく少ない回数で折ってたたみ、あまりたくさんの枚数を積み重ねないよう注意してください。重ねすぎると、上に乗せたシャツの重みでくっきりとした折りジワがついてしまいます。また、色あせによる変色を防ぐため、直射日光は避けましょう。湿気を防ぐため、除湿剤を活用するのもおすすめです。

【シワになりにくいシャツの収納方法】
5.まとめ
ワイシャツの寿命を見極めるポイントを押さえ、日ごろから適切なお手入れを続けることで、清潔感を保ちながらシャツを長く着用することが可能になります。シャツを長持ちさせ、ちょうどいいタイミングでシャツを買い替えられるよう、ぜひ参考にしてみてください。